復讐


次の日からわたしは兄と二人で登校した。学校へ着くと一階ですぐに別れた。

車椅子の兄は一階にある障害を持った子の教室で授業を受けていることを知った。

わたしは自分の教室へ向かった。教室へ入るとすでにたくさんの子達がきていた。


『おはよう。』


わたしは緊張しながらも大きな声で挨拶をした。
近くにいた可愛らしい女の子がニコリと笑って、


「おはよう。」


と、返してくれた。
わたしは嬉しかった。

席に着くとランドセルから教科書とノートとペンケースを机の中にしまった。


「おい。」


その声が自分に向けられたと思い、わたしは振り返った。そこには色黒の男の子が立っていた。

わたしは驚いて彼の目をじっと見つめた。


< 4 / 67 >

この作品をシェア

pagetop