迷子の殺人鬼
「俺は○○を本当に愛してる。
お前との間に子供が出来ても、○○以上には愛せない」

欲しかった。
産みたかった。

だけど、怖くて産めなかった。

父親に愛しても貰えないのか。
1人で産んでも育てられない。

恐怖ばかりが先に立って、勇気の無い私は。
中絶の道を選んだ。

この時まだ貢がされた時に作った借金が残ってたけど。
実家に身を寄せるなり、方法はあったのに。

19歳の借金なんて、知人にしたくらいのものでしょ?
大した事ないじゃん!なんて思われるかもしれないけど。

勤務先のノルマでクレジットカードを作らされていた私は。
この時既に、ショッピングからキャッシングから。
カード地獄に陥っていた。

怖かったし、それでもまだ、彼に捨てられたくなかった。

私も酷いし、彼も酷い。
それなのに、私は彼と結婚した。

本当に好きだったのか、
今となっては判らない。
結婚というものに憧れていたのだろうか。

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