迷子の殺人鬼
職業としての夢とは別に。
女として、人生としての私の夢は。
きっと、お嫁さんなんだと思う。

籍がどうこうではなくて。
私をずっと愛してくれる人。
裏切らずに、大切にしてくれる人。
その人の傍で、ずっと生きて行きたい。

しかし様々な経験をした私は、心底男を信じる事が難しくなっている。

信じられない訳ではなく、些細な事で不安に思ったり疑ってしまう。
もちろんこれは私の問題なので、心の内に留めておくが。

こんな私が誰かと寄り添う事等出来るのだろうか。
それなら一層、独身でいると決めて、仕事に打ち込むべきなのか。

色々考えても、正しい道は解らない。
もうある程度の人生設計をしなくてはならない歳なのに、何も見えない。

完全に迷子。

バツ１の私に気を使ってあまり言わないが、
両親が孫を望んでいるのも知っている。
そこは、心苦しい。

こうして悩むのも、胸が苦しいのも、涙が溢れるのも。
恋に依存し過ぎ、捨てられたくないが為に流された、愚かな自分の所為でしかないのだ。

< 24 / 26 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop