迷子の殺人鬼
しかし彼とは、これで終わりではなかった。

映画や小説の素敵な恋しか知らなかった私は、
想いはいつか叶うなんて。

好きと言われ続けて、私は好きになったんだから。
私がずっと好きでいて待ち続けていれば、戻って来てくれるはず。

「まだ好き」
「会いたい」

何度かメールを送れば、彼はたまに会ってくれた。
都合の良い女としてキープされていたのだ。

待ち続ける事7ヵ月。
その間に彼は何人女を替えただろう。

待った。
病みながら。

胃が痛くて何も食べられず。
日に日に痩せて行く私を心配して、
お母さんは栄養ドリンクを買って来てくれた。

少しづつ良くなって食べられる様になっても、
しょっちゅう戻していた。

眠る事も出来ずに。

因みに、恋愛で傷付くと今でもこうなる。

しかし、10代と今とでは体力がかなり違うらしく。
今は、非常にやつれた顔で仕事をするはめになるが。
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