天国のマシュに会いたい
マシュを救えたかも知れないのに・・・




とにかくその日の夕方には、もう普通に戻っていたので、仕事から帰ってきた千恵子と、左足の痙攣は何だったのだろうと話をしながら散歩に出て、夜はいつものように寝室でマシュと遊び、たいした病気や怪我でなくてよかったと喜びながら身体を撫でてやるのだった。

それからも、それまでと変わらずに、いつもどおりの生活が続き毎日が過ぎてゆく。

朝、起きて新聞を取りに行きリビングのドアを開け放しマシュと寝室に上がり、新聞を読む間マシュは寝室の窓から外を眺め、階段のところ戻っては階段の途中の窓に上がり外を眺め、そしてまた寝室に戻ってきてはベッドに上がり寝そべる。

そして千恵子が仕事に出かけると私は小説を書いたり、マシュとバトルをしたり、三時くらいになると夕食の準備をし、マシュがキッチンにやってくる。

夕方になると千恵子にマシュを散歩させてもらい、夜は寝室でマシュと遊び、千恵子が休みの日には千恵子が夕食の支度をしている間に私は小説を書き、四時頃になるとマシュが私の足に手を伸ばして、散歩の催促をしに膝に乗ってくる。

今まで通りの日々が過ぎていく。

私は悪夢のような発病の日が近づいてきているのに全く気が付かなかった。




そして忘れる事のできない七月十八日になった。
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