天国のマシュに会いたい
私は、一生、死ぬまで、この日を忘れることはできない。




七月十八日の午前中は、いつもどおりに過ぎていった。

昼食を終えて一息ついた午後一時過ぎに、私は寝室に置いてある前日の寝る前に思いつき書いておいた小説用のメモを取りに上がろうと考え寝室に向かった。

階段を上り始めたとたんに待ち構えていたように後方からマシュがダッシュしてきて、あっというまに私を追い抜いて行った。

私はマシュと遊ぼうと寝室へ向かった訳では無いのだが、いつもの癖で急いでマシュを追いかけた。

マシュは寝室へ飛び込んでいく。

そしてマシュに遅れて寝室に入ると、マシュは得意そうに私のベッド上で
「遅いなぁ」
とでもいうように、こちらを見ている。

私はマシュに近づき
「いつもながら、マシュは、早いのう」
と身体を撫でてやる。

ところが、その時である。

マシュの左足が痙攣を始めた。

マシュはベッドから跳び下りて一旦寝室のベッドの下で横になった。

しきりに左足を蹴るような仕草をしている。

そして二歩三歩と歩いては、また横たわる。

私はこの間と同じ様な症状で気になったが、またしばらくすると治るかと思って見ていた。
< 101 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop