天国のマシュに会いたい
私の心臓は飛びだしそうなほど、どきどきしている。

とにかく急いで病院に着かなければいけない。

マシュも必死の形相であるが私の顔も引きつっていた。

病院に到着する直前に千恵子に連絡を入れると、もうすぐ千恵子も到着すると言っている。

ほぼ同時に病院に着き、私が苦しみもがくマシュをTシャツにくるんで車から出そうとしていると、千恵子が先に受付に申し込みに入った。

病院は他の待っている人をとばして救急でマシュを診療してくれた。




ところが・・・
マシュを見た瞬間、病院の先生は諦めの表情を浮かべた。




先生の説明によると肥大型心筋症というらしく、それも最悪の腸骨動脈塞栓症という病気らしい。

そして助かる見込みは、ほとんど無いと告げられた。

肥大型心筋症は猫の難病らしく発症前に見つけられると、その後の治療で運が良ければ平均余命が数年、稀にではあるが五年近く生きられる猫もいるらしい。

しかし一度発症してしまうと治療をしても平均余命は二ヶ月以内で、七、八割の猫は一週間以内には死亡するケースがほとんどであるという。

マシュを診た先生は今日か明日の命かも知れないと私たちに告げた。
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