天国のマシュに会いたい
次の日、マシュをキャリアーに入れて千恵子が自分の車に乗せ、私は私の車で病院へ行く。

千恵子はマシュの診察が済むと仕事に行き、私はマシュを連れて帰る。

まず診察が始まると尿が出たかどうかを訊かれたので出ていないと答えると、診察台の上にタオルを敷き、マシュの下腹部を押さえて尿を搾り出した。

それが済むと点滴と抗生物質の注射を行い処置を終える。

家にマシュを連れて帰るとゲージに入れて餌と水を入れ替えてやるが、水も飲まなければ餌も食べない。

ずっと点滴だけであり、それも薬だけの点滴で栄養剤など入っていないので、マシュの身体は見る間に痩せていっていた。

四、五キロ以上あった体重は、現在三、四キロまで落ちていた。

とにかくこのままでは、どんどん体力が落ちてしまうので、いつも固形の餌しか食べていなかったから、缶詰の餌だったら食べるかと思い買ってきたが見向きもしない。

しかたなく私は手で餌を掴むと、むりやりマシュの口に入れ食べさせる。

マシュは嫌々をするが強制的に口に放り込むと、一缶の四分の一くらいは、どうにか食べさせられた。

ゲージの中のマシュはしんどそうである。

このまま回復してくれるだろうか。

私は昨夜も眠れずに、夜中に二時間くらいマシュの回復を祈りながらゲージの横で添い寝をしていたのだが、今日も朝からマシュの横で添い寝をしたり、撫でてやったりしている。
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