天国のマシュに会いたい
千恵子と相談して、私が朝一番で診察を受けに行けば十一時までには終わるだろうと考えて、十一時過ぎに私がマシュを病院へ連れて行くので、千恵子には会社を一時出させてもらい病院で待ち合わせることにした。

二人でマシュを押さえておかなければ点滴と注射の時に動きまわるので、一人では無理であり、そうしたのである。

私の診察は、やはり鬱病であり、それも軽くは無いと診断された。

基本的にはマシュの出来事が引き金となり、それまでの両親の看病や、その関係もあり売り上げが落ち生活費が苦しくなったことなど、自分自身が溜め込んでいた苦しみが噴き出したのだと診断された。

確かにこのままでは近い将来、生活費が底をついてしまい、そうなれば自殺も考えなければいけないのかと悩んだり、どうにか売り上げを伸ばそうと苦しんだりしていた。

その苦しさが底辺にあり、自分の子供のように可愛がっていたマシュの病気が引き金となり、重い鬱病になったのだと言われ、治療には短くても一年以上が必要であると宣告された。

そして三種類の薬を処方され、私はマシュを連れに家に戻り、マシュを車に乗せて動物病院に向かった。

動物病院には十一時過ぎに着き、ちょうど千恵子も着ていた。

そして診察が始まったが昨日とまったく同様である。
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