天国のマシュに会いたい
左足の手術
次の日は八月になる。

とにかく命が八月まで持ったのだ。

八月一日の診察にマシュを千恵子と私は二台の車で連れて行った。

先生は診察をすると、すぐに言った。

「今日、手術をしましょう。これ以上は放っておけません」

「猫ちゃんを置いて帰って、夕方、迎えに来てください」
と言うので、入院は必要ないのかを問うと

「死んでいる部分を切るので、痛みはほとんど無いと思いますし、入院をしても、いつものような点滴などの処置をするだけなので入院は必要ありません。通院で結構です」
と答えた。

いよいよマシュの左足が、全部ではないが半分くらい無くなるのである。

かわいそうであるが命を助ける為にはやむをえない。

最後のマシュの全体像を目に焼き付けて私は久し振りの仕事に向かった。

仕事をしているとマシュの事ばかり考えてしまい、はかどらない。

精神的にも、きつくてしんどかった。

それでも夕方まで仕事をして、千恵子が会社の帰りに病院に立ち寄り、マシュを連れて帰って来るのを家で待っていた。



待っている時間は長く感じる。
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