天国のマシュに会いたい
夜の九時になって、そろそろ私が寝に行こうと思ってマシュを見ると、マシュは私をじっと見つめている。

そして私が立ち上がるとマシュもドアに向かって
「コツ、カツ、コツ、カツ・・・」
と歩き出そうとする。

「ごめんなマシュ、寝室へは来れんわ」
と言って、マシュが来るのを止める。

そんなマシュが、かわいくて、かわいそうで・・・

私は涙が出そうになる。

こんな身体になってしまっているのに、まだ私と寝室で過ごそうとしてくれている。

本当は連れていってやりたいのに・・・悲しい。

本当はマシュと遊べなくても、寝室でいるだけでもいいのに・・・




「ごめんなマシュ・・」



私は、一人寂しく、ベッドに身体を横たえて、心の中で言う。

そして眠れずに、マシュのことばかり考えている。

翌日、千恵子が出勤した後、私とマシュだけでリビングで過ごしている。

午前中は何事も無かったのだが、夕方近くになってマシュの左足が、また出血を始めて人間の手のひらくらい出血した。

そして私が病院へ連れて行こうとすると、今日も出血が止まった。
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