天国のマシュに会いたい
四年目は九月までに売り上げが四百万近くになり、最終的には昨年と同じくらいかなぁと考えていた。

ところが突然に私の家から一キロ少々離れた所にある、私の実家の父親が救急車で運ばれたのである。

症状は重篤で、すぐに緊急手術が行なわれたのだが集中治療室に一ヶ月近くも入り、何度となく危篤状態になり病院に呼び出されたのである。

集中治療室には、一日に二度、決まった時間にしか入れないので毎日洗濯物を取りに行き、それと交換の洗濯物を持ってゆき面会していた。

私は次男で長男が実家の離れに住んでいたのであるが、昼頃に仕事に出て夜中まで帰って来ないうえに独身であった。

また私の母親はリウマチで両足とも人工関節にする手術をしており、身体が不自由であった。

母親には週に二度、ヘルパーさんが来て、ごはんなどを作ってくれていたのであるが、それ以外の日は、長男が、すしや弁当などをスーパーで買って来て、母親の住む母屋の台所に置いて仕事に出かけていたのである。

当然、買って来るのは同じ様な食事ばかりになり、母親は飽きてきて、仕方がなく私が夕食を作りに実家へ行っていた。

ちょうど、その頃、千恵子も一週間ほど入院して、そのうえ最初に飼いだした猫が老衰で身動きもできない末期的な症状になり、その世話もしなければいけなかった。

そして千恵子が一週間で退院してきたと思ったら入れ替わりに、千恵子の父親が入院して、三ヶ月以上入院することになった。
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