天国のマシュに会いたい
千恵子が仕事に出かけた後、私はマシュを抱いてゲージから出してやり、ソファの上に連れて行き優しく撫でてやった。

そして餌の入っている入れ物をマシュの横に置いてみた。

口に近づけてみるが、やはり食べてくれない。

どうにか食べてほしい私は粘って根気よく数十分ごとに餌を近づけてみる。

そして、昼が近くなってきた頃に
「カリ、カリ、・・・」
と音を立てて、ほんの少しではあるが食べてくれた。

たとえ少しでも食べ始めてくれて安心し嬉しかった。

この日、マシュを抱いて体重を量ってみると、足を切り落としたとはいえ、三キロちょうどしかない。

身体を抱くと非常に軽く感じる。

とにかく、もっと食べて元気になってもらいたい。

私が昼食を食べていると、マシュはソファの上で立ち上がろうとするが、後ろ足が一本では上手くバランスがとれずに、すぐにころんと、ひっくり返ってしまう。

何度も、何度も、立ち上がろうとするが、だめである。

立てない以上、ゲージに戻さないと、ソファの上に尿や便をされたらいけないので、午後はゲージに戻して入れておいた。

そして夕食後に、ゲージの扉を開け放して様子を見てみる。
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