天国のマシュに会いたい
食事も僅かではあるが増えてきつつあった。

この日の夜には休みながらではあるが、歩いていき自分でトイレに入り用を足した。

これで無理にゲージに戻す必要も無い。

今までは用を足すときにトイレに入れず吸水シートが必要であったので、ゲージに入れておいたが、もう大丈夫であろう。

人間だと、こんなに早くは回復しないだろう。

ここまで必死に努力しないであろう。

猫だからとはいえ、たいしたものである。

私は千恵子と話をして、明日にはゲージをしまうことにした。

翌日にはマシュは三本足で、それなりに歩けるようになった。

右足の指先の黒く石のように硬くなった部分が床に当たり
「カツ、カツ、カツ・・・」
と音を出しながら歩く。

そして自分で水をのみに行き、食事をしてトイレに入る。

ただし体重は、まだ減り続けていた。

もう少し食べて体重が増えてきてくれれば筋力もつくし、申し分ないのであるが、今は痩せ細っている。

毛が深いので分かり辛いが、抱くと非常に軽くなっている。

それでもリビングの中を歩いているマシュの姿を見ると嬉しかった。
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