天国のマシュに会いたい
千恵子は毎日、仕事が終わると千恵子の父親の入院している病院に世話をしに向かい、私は父親と母親の面倒をみなければならなかった。

仕事など、まともにできる状況では無くなり期限の切られる仕事は断らざるを得ず、仕上がりが、いつでもよい仕事しか請けられなかった。

おまけに、父親の入院している病院からは、一般病棟に移るので、誰かが一緒についてくれるようにと言われ、母親は無理であり長男も仕事は休めないと言うので、私が泊まりこんだのであった。

私の仕事は仕上がりの期限が切られるのがほとんどであり仕事ができずに収入は、まったくと言っていいほど無くなった。

売り上げの六割を占めていた大手の建築会社からは今後の仕事を断られ、どうしようもない状況に、なってしまっていったのだった。

そして実家へ夕食を作りに行っていた母親も救急で入院して、結局、母親が退院する翌年まで仕事は、ほとんど出来なかった。

翌年、入院しているのが父親だけとなり母親にも毎日ヘルパーさんが来るようになって、ようやく仕事が再開できるようになったのだった。

しかし、大手の会社からの仕事はすでに無く、他にも失ったお客さんは多かった。

結局、仕事は暇になり売り上げは一年間で百万台にまで落ち込んでいった。

その翌年も父親と母親は入退院を繰り返して仕事に影響が出る状況であった。

そのような状況の頃、マシュが我が家へ来たのである。
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