天国のマシュに会いたい
そして、少し呼吸を整えると、前足の爪をベッドに引っ掛けるようにして、ジャンプしてというよりは、よじ登るようにしてベッドに上がってきた。

私は思わず
「マシュ・・・」
と声を掛け、抱きしめた。




なんていうやつだ。
私のベッドにまで、必死でやってくるなんて・・・




私は、かわいくて、かわいくて、しょうがなかった。

そしてマシュは私の足元で、横たわり身体を舐めている。

千恵子が目を覚ます前に私は新聞を読み終え、マシュを抱いてリビングへ下りて行った。

日中、マシュは時々移動しながら、寝ていることが多くなった。

以前のように自由に身体が動かないのだから仕方が無い。

本当は遊びたいだろうし、散歩にも行きたいだろうが、今の状態では無理である。

しかし食事量は増えてきて、体重も三キロ台に回復してきた。

私はたとえ三本足でもいい、生きて元気でさえいてくれれば・・・

そう思いながらマシュを眺めていた。

私が買い物に行こうと玄関へ向かっていく。

以前であればマシュは見送りに来てくれていたのであるが、今は咄嗟に身体が動かない。
< 160 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop