天国のマシュに会いたい
こんな身体になってしまっているのにと思うと、涙が滲んでくる。

賢い犬が主人に対してよく言うことを聞くと言うが、マシュは私を主人だと思い慕ってくれているのだろうか。
それとも親のように思ってくれているのであろうか。

とにかく、こんなに嬉しいことはないが、あまり無理をしないでほしい。

これからは、どんなことがあっても無理をせず長生きをしてほしい。

私の切実な願いであった。

翌朝、昨日と同じ様に目が覚めると新聞を玄関に取りに行きリビングを開けたが、マシュはソファで寝ていて、顔を上げてこちらを見たが、横になったままだった。

私はマシュをそのまま残して、寝室に戻って新聞を読み始める。

数分後
「カツ、カツ、カツ、・・・」
とマシュが歩く音が聞こえると、そのまま
「カツ・・カツ・・カツ・・カツ」
と階段を上るときの、少し間の開いた音が始まった。

私は新聞を読むのをやめて音を聞いた。

そしたら少し休んでいたのか、ちょっと間をおいて、また
「カツ・・カツ・・カツ・・カツ」
と音がしだしたので、私はベットから身を乗り出して階段の方角を見ると、マシュが上がってきている。
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