天国のマシュに会いたい
私は蚊が来るので玄関の所で座っていて、千恵子がマシュについて行く。

千恵子によると、家の裏に回ったマシュは、以前から散歩している時と同じ様に、じっとして裏の家の庭へ行きたそうに覗いていたらしい。

マシュが裏へ回ると、以前から長い時間留まっている。

よほど行ってみたいのであろう。

しかし、よその庭であるので無理である。

結局、かなり昨日より長い時間出ていて、二時間以上は出ていたであろう。

日が落ちてきたので、マシュを連れて家に入った。

夜九時前になると、マシュはリビングのドアの前に立ち、寝室へ行こうと待ち構えている。

私はマシュを抱いて行くとマシュと共に眠る。

そして千恵子が寝る前に、マシュはリビングに降ろされる。

私が夕食の支度をする時は、マシュが私の居るキッチンまでやって来る。

そんな同じ様な日々が数日間続いた。

数日後に、私がマシュの右足のミイラ化している部分がなかなか落ちてくれないなぁと思いながらよく見てみると、ミイラ化している部分に近い肌が、まだらに紅色に変色している。

そしてミイラ化している部分の近くの肌が、少しじくじくと湿っている。
私はそれを見て、ひょっとすると、また壊疽が広がり出したのではないかと思い驚いた。
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