天国のマシュに会いたい
私は苦しい状況にあったが、どうにか仕事を立て直さなくてはならないと悩んでいた。

精神的にも非常に苦しんでいたのである。

だが如何せん仕事は暇であった。




午前中、家内が眠っている間に私はマシュの様子を部屋に見に行った。

部屋に入るとマシュの姿が見えない。

おかしいなぁと思いながら捜してみると出窓のカーテンの向こうに座っていた。

私がカーテンを開けると、それまで外を見ていたマシュの顔が私の方へ向いた。

「マシュ」
声を掛けながらマシュの身体を撫でてやる。

マシュの、ふさふさの柔らかい毛が手に気持ちよかった。

マシュは、あちらこちらと、たらいまわしにされて、知佳が飼うようになってからでも友達の家に行ったり帰ってきたりと大変だったろうと思った。

しばらく身体を撫でた後、持ってきていた猫じゃらしで遊んでやろうと、知佳のベッドの上で猫じゃらしを振って動かして見せた。

すると、すぐに反応して、ベッドに跳び下りてきて猫じゃらしを追い始めた。

右に左に動かす猫じゃらしを必死で捕まえようとする。

そしてその反応は早くて、何度も猫じゃらしは捕らえられてしまう。

私はベッドの上には枕や座布団が置かれてあり、それを利用しようと考えた。
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