天国のマシュに会いたい
私は腫れぼったい目をしていた。

昨夜は子供のとき以来の大泣きをしながら眠ったからだろう。

私は午前八時過ぎに動物の葬儀社に電話をした。

葬儀社の人は
「午前十時くらいに、お迎えに参ります」
と言って、電話を置いた。

千恵子は、買ってきた花や、よく食べていた草を摘んで入れ、私は、マシュとよく遊んだ道具を箱に納めた。

そして十時過ぎに葬儀社の人がやって来た。

私はマシュを納めている箱を持っていく。




玄関を出る時に、心の中で
「これが、見納めやな」
と呟きながら・・・




そして花と草と遊び道具に埋まったマシュを車に乗せる。

乗せた後、硬くなった身体のマシュを撫でてやると、いつもの柔らかい毛で気持ちよかったが、その時には、もう涙が、ぼろぼろと落ちていた。

千恵子も私のあとから、嗚咽しながらマシュを撫でていた。

知佳は私が寝室に入った後、千恵子がマシュの死を伝え、リビングでしばらく見送りをしていたそうで、今朝は寝ているのか、起きてこなかった。
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