天国のマシュに会いたい
今までより長い時間マシュをリビングで居させていると、マシュがふいにクロに近づいて行こうとしたところを、クロが

「カァー」
と威嚇したかと思うと、次の瞬間パンチを一発マシュに放った。

すぐに私は
「クロ」
と怒鳴りつけ、クロの所へ行こうとすると、クロの方がリビングの隣の和室へ逃げて行った。

まあパンチを放ったといっても軽くであり、襲い掛かっていったわけでもなく、逆に私が怒ることでクロの方が逃げて行ったので、それ以上クロを怒る必要も無く、そのままにしておいた。

翌日の夜も同じである。

マシュをリビングに連れて下りてくるとミルとは、もう耳を伏せて警戒する様子も無く、たがいに匂いあったりしている。

クロはといえば、昨日怒鳴られたことが頭に残っているのか、うろうろとマシュの周りをうろつくものの、威嚇の声も上げないし手も出さない。

ただし、あまりマシュに近づきたくは、なさそうである。

それでも、とにかく家の一員として受け入れざるを得ない感じで、マシュとは、つかず離れずの距離を保っていた。
< 24 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop