天国のマシュに会いたい
私たちは、あまりにも小さくて、まだ親から引き離すには早すぎると思い、もう少ししてから引き取るように勧めたのだが、知佳の話によると、もうすでに親から引き離されて子猫だけで飼われているということであった。

私たちは、このあまりにも幼い子猫を知佳が上手に飼えるのか心配になったのだが、離れているので手助けすることもできない。

どちらにしても、もう少し大きくなって飼いやすいようになってから引き取るように連絡をしたのだった。

知佳は了承してくれて七月になってから自分の住んでいる部屋に連れて帰ると言い、それまでに猫のトイレや水や餌の入れ物など必要な物を買って準備するので、子猫を運ぶ為のキャリアーを七月までに私たちの実家で使っているのを送ってほしいと伝えてきた。

そして千恵子はキャリアーを送ったのであった。



まだ梅雨の明けきらない七月上旬、知佳から、まもなく子猫を引き取りに行くと連絡があった。

そして猫の飼い方やトイレの躾のしかたなどを千恵子に教えてもらっていた。

ペットの世話をするというのは、慣れればそれほど難しいものではないかも知れないが、それなりにいろいろと苦労もあるのである。

ましてや一人暮らしで今まで一度も世話などした経験がないのに大丈夫であろうかと心配であった。

それに本当は飼ってはいけないマンションで飼うことにも不安であった。
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