天国のマシュに会いたい
糸の先に少し固めの紙を数枚切って取り付け、それを持って振ると蝶々が飛んでいるように見えるものや、赤い羽根の募金でもらった羽を糸の先につけてふわふわと飛ぶものを作ったりしていた。

他にも幾つか作ってマシュと遊ぶのを楽しみにしていた。

そして家へ連れて帰るなり、それらを使用して遊んでみたところ、必死になって喰らいついてきた。

一階から二階へ、二階から一階へと逃げるのを必死なって追いかけてくる。

私もマシュも夢中になって遊んだ。

そして、その日の夜から例の如く、九時になるとマシュはリビングのドアの前で私を待ち、私はマシュと一緒に寝室に駆け上がって行き、一時間ほど遊ぶとリビングへ連れて下りる日課が続くようになる。



数日後、中国人の女の子が、そろそろマシュと遊べるのかとやって来てマシュと遊んで帰ったのだが、新しい友達でもできたのか、毎日来ることは無くなった。

その頃、以前にマシュと会った女性とは別の千恵子の友達が家へ立ち寄り、マシュを見に来たのである。

玄関までマシュを連れて行き、マシュは、おとなしく座って友達の女性を見ていたのだが、友達が手を伸ばして擦ろうとすると突然に威嚇の声をあげ、友達はびっくりして手を引っ込めた。

「何それ、おとなしく座っているから、擦らせてくれるのかと思ったら、びっくりするわ」
と驚いていた。
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