天国のマシュに会いたい
そして私が風呂ではなくて、シャワーを浴びている時でも、ふと気がつくと風呂場のドアの向こう側にマシュが座って居て、半透明のスライド式のドアごしに中を見ている。

私は相手をしてやろうと思い、ドアを少し開けて歯ブラシやアヒルのおもちゃを使って遊んでやるのであった。

そんな調子で、毎日がマシュとの冒険と遊びで楽しかった。



ある日、私は買い物に行くついでにマシュを車に乗せていってみようと思い立ち、マシュを連れて買い物に行ってみた。

他の二匹の猫は車に乗るのを嫌う。
たぶん車に乗ると病院にでも連れて行かれる印象が強くて嫌なのであろう。

しかしマシュは平気であった。

家から車で十分くらい掛かる所にあるスーパーマーケットまで行く間、助手席と後ろの席を行ったり来たりしている。

そして私が買い物を終え車に戻ると、後ろの席にちょこんと座って待っていた。

それから私は、たまにマシュを車に乗せて出かけるのだが、運転席の下にもぐってくるとアクセルやブレーキがあり危険なので、遠くまで乗せて行くことは無かった。

でも今までの経験には無い、変わった猫だなぁと思ったのだった。

千恵子は知佳と連絡を取る時に、相変わらず

「いつマシュを連れに来るんな。避妊手術も済んでるし、あんたのことを忘れてしまうで」
と話しかけている。
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