天国のマシュに会いたい
おそらく親と引き離されたのがあまりにも早くて、ささ鳴きをしているのであろう。

チュパチュパと吸っているのは、お乳を吸う仕草にそっくりであり、吸っている時の両手は、ちょうど子猫が親のお乳を吸うように、片方の手がグウをすると、もう片方の手はパーをしていて、それをかわるがわる繰り返している。

まだまだ親の母乳や愛情が必要な時期に引き離されたのが想像できる。

その後も、あちらこちらと移動さされ、本当に不遇な幼少期であったのだと、かわいそうになるのと同時に、よく生きてこれたものだと思った。

少し横になっていると思うと、ささ鳴きをしていて、一日に何度も何度もしているのであった。

それと、もうひとつ知佳が言っていたが、外出からマンションの部屋に戻ると、玄関のドアを開けたとたんにマシュがダッシュで迎えに来るのだと話していたが、我が家でも同じ様に、私や千恵子が家に戻ると玄関まで出迎えに来ていた。

今まで、そんな行動をする猫は飼った経験がなく初めてであった。

私が帰った時には一緒にリビングにはいり、千恵子が戻って来た場合には、たいがい買い物袋を提げて入ってくるので、買い物袋を置くと同時に買い物袋の中身を点検するのであった。

どうして、いちいち買い物袋の中身を点検するのかと思って見ていると、ある日、中身に菜っ葉類が入っていて、それを見つけると、むしゃむしゃと食べている。
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