天国のマシュに会いたい
「今度は、しっかり摑まえておいてよ」
と頼んだ。

そうして私は久し振りでマシュと遊ぶことなく眠りについた。

それからもマシュは夜の九時になると、私と一緒に寝室へ行こうと待ち構えるのであったが、少し暖かい夜以外は千恵子にマシュを摑まえておいてもらい、一人で寝室へ向かったのだが、寝室で横になっていると、十分くらいして、ドアをカリカリと引っかく音がして

「ニャーン」
と小さな声で一声鳴くのが聞こえてくる。

千恵子がリビングのドアの前で待ち続けるマシュが、かわいそうでマシュを出したのだ。

せっかく寝室まで来ているので、私はマシュを寝室の中へ入れて、一緒にベッドで横になるが、寒いので遊びはしない。
私は蒲団の中で、マシュは蒲団の上で、一緒に眠る。

しかし日にちが過ぎていくうちに、寒さが厳しくなってきて、寝室は寒いので、本当はマシュと一緒に眠りたいが、リビングの方が暖かいので、マシュを千恵子に任せてリビングに残し、だんだんと私一人で寝室で眠る日が多くなっていった。

そのかわりに日中、私は小説を書く時間を減らしてマシュと遊ぶようにしたのである。



二階の寝室は南向きで日中は日差しがよく差し込み暖かかったので寝室で遊ぶ時間が長かった。

私はマシュが遊ぶ道具をいくつも作っていて、マシュはベッドの蒲団の上を、バッサバッサと跳びはねるように、その遊び道具を追いかけてくる。

相変わらずに一時間でも二時間でも飽きることなく遊びまくる。

私は本当に、よくマシュと遊んだのであった。
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