天国のマシュに会いたい
ただ私の椅子の上にクロが寝そべっているのは滅多に見なかった。

クロは以前に私の机の上に上がり荒らしたので何度も叱りつけているからかもしれない。

ミルやクロはテーブルの上や私の机の上などに上がっては荒らしたので、本棚以外の上には上がらないように躾けたのである。

マシュも、たまに私の机に上がることがあったが

「こら」
と一声かけると、急いで跳び下りていて、そのうちに机の上に上がらなくなった。

他の二匹のように、なかなか言う事を聞かずに躾けなければならないということが無かった。

まるで私の言葉を理解しているみたいであった。

私が寒くなってマシュを寝室に連れて行かなくなってから、リビングでどう過ごしていたのか千恵子に訊くと、少しの間は猫じゃらしなどで遊んでやったりしていたらしいが、遊んでやらない時には、コタツの上掛けと掛け布団の間にもぐりこんで寝ていたり、私の椅子の上で寝そべっていたらしい。

マシュは暑がりなのかコタツの中に入り込んで寝ている姿は滅多に見ていない。

毛が深いので寒さには強かったのかストーブの前でも、長時間ストーブに当たっていることは無かった。

一番寒がりでコタツの中に入ったりストーブの前で寝そべっていたのは、ミルであった。
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