天国のマシュに会いたい
クロも冬の夜でも外に出て行ったりしていて寒さに弱い方ではない。

それでもさすがに、あまりにも寒い日は外に出ても、すぐに帰ってきていた。

クロは本棚の一番上の所で寝るのが好きであり、その高さは一メートル七十センチくらいあるので、ちょうど私たちを見下ろすようになる。

その本棚の一番高い所へ上がるには、最初にエレクトーンの椅子に上がり、次にエレクトーンに移り、そこからジャンプしなければならなかった。

ジャンプ力の弱いミルには、行けない場所であった。

冬になって最初の頃は常にクロが、その場所を占拠していたのであるが、ある夜、クロが外へ出て行った隙にマシュが、その場所を確保した。

一度マシュが、その場所を確保すると、外から帰ってきてもクロはマシュの傍へは近寄りたくないので行けないし、二匹が上がるには少し狭かった。

クロは夜になると、すぐに出て行くことが多かったので、次第にその場所をマシュが確保する回数の方が多くなってきて、外から帰ってきたクロは仕方がなくソファの上で寝そべることが多くなった。

何日も続けてマシュが、その場所を確保すると、クロが居る時でもマシュの方が先に占拠して、クロは徐々に下で居場所を確保するようになった。

マシュは高い場所であるにもかかわらず大胆な寝方をするし、一度寝ると熟睡している時も多かった。

マシュの眠る時間は他の猫に比べると極端と言えるくらい少なかったので、一度眠ると熟睡してしまうのだろうか。
< 54 / 220 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop