天国のマシュに会いたい
他の二匹は少し物音がしても目を開けるので寝る時間は長いが、うとうとと、しているのであろうか。

マシュは大胆な寝方をするので一番高い本棚の上で寝ているのが落ちそうで心配であった。

そんなある日の夜、私たちが夕食を終え、テレビに見ているのに集中していると突然に大きな物音がした。

「ドッスン、ガッシャン」

音がした方を見ると本棚の一番上で寝ていたマシュが居なくなっている。

そしてエレクトーンの細長い椅子に敷いていた毛布が下に団子のようになって落ちている。

私はすぐにマシュが落ちたのだと分かり、怪我をしていないか急いで見に行くと、部屋の隅の本棚の前で、きょとんとしている。

何が起こったのか分からない様子であった。

本棚は部屋の一番隅に置いてありマシュは本棚の一番上からエレクトーンの椅子の上に落ち、咄嗟に毛布を爪で引っ掛けて部屋の隅へ落ちたのだろう。

自分では、どうなったのか分からないのであろう、そのまま部屋の隅で座っている。

抱き上げて連れてきたが、普通に歩き出したので怪我はしていないのだなぁと、ほっとした。

私は、いくら熟睡するといっても猫であり、今まで寝ていても椅子の上とかから落ちたりした猫も居ないので心配していたことが現実に起こるとは、あまり想像していなかったので、やはり驚いてしまった。
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