天国のマシュに会いたい
もちろん外出をする時にはエアコンを切って出て行くのであろうから、部屋の中は、かなり気温が上がり子猫にとっては大変であろうし大丈夫であろうかと気をもんだりもしたが、とにかく何日か過ぎていった。

その頃に知佳から聞いた話によると、知佳がもらってきた子猫は友達の部屋に来る前にも、どこかからもらわれてきたそうで、あちらこちらと渡ってきたらしい。

それを聞いた私は、あまりにも小さな頃から辛い境遇で育ってきたのだなぁと感じた。

とにもかくにも、どうにか子猫を飼い続けている知佳に子猫の名前をつけてやらないといけないので、私はその候補として、生まれた時季を子猫の大きさから想像して、四月の末から五月の中旬くらいであろうと考え、さつきとかメイなど色々と考えて五種類くらい知佳に伝えた。

翌日、千恵子が子猫の名前を決めたのかと知佳に訊ねたのだが未だに決まっていないという返事であった。

千恵子は非常に猫が好きであり、もともと我が家で飼いだしたのも千恵子である。

それで千恵子がどんな子猫か、よく見たいので、もっと写真や動画を送ってほしいと知佳に連絡したところ何枚かの写真と動画が届いた。

それと同時に名前を決めたと言ってきて、名前をマシュにしたのだと告げられた。

何とも、あまり聞かない名前だなぁと感じながら、送ってきてくれた写真や動画を見てみると、身体全体がこげ茶色をしていて、まだらな模様がある。
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