天国のマシュに会いたい
何度か外へ出るうちに慣れてくるだろうと、その日は、あまり長い時間、外で居ることなく家に入れた。

四月になり私の仕事が一段落して、また暇な状態に戻ってくると、私は一人でマシュにハーネスを取り付けて外へ出てみる。

その時が確か、外へ出すようになって四度目くらいであったと思うが、マシュも外へ出るのに少し慣れてきていて、家の前の道路に出ると、隣の家の前まで歩いた。

ちょうど、その時、三軒奥の行き止まりの所に建っている家の人の車が走ってきた。

私は急いでマシュを抱きかかえようとしたのだが、マシュは車に驚いて、暴れてハーネスを外すと、一目散に隣の家の裏に向かって走って逃げて行った。

私は隣の家の敷地に入るわけにもいかずに、急いで自分の家の裏に回りマシュを見つけようとした。

マシュがそのまま、どこかへ走って行くと家へ戻ってこれないかもしれないと思い、裏の細いあぜ道に出て、裏の家の庭や隣の家の周りを

「マシュ・・・マシュ・・・」
と呼びながら捜したのだが見つからない。

いったい、どこへ行ってしまったのだろうか。

私は、ただただ慌てて、マシュを捜すのだが見つからない。

これは困った事になってしまったと思いながら家の裏や表を捜すが見つからない。

そして私は、もう一度、裏へ捜しに行った。
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