天国のマシュに会いたい
そして、このまま見つからなかったら、どうしようと思いながら

「マシュ・・・マシュ・・・」

と呼びながら家の表へ出て行こうとした時、ふと前を見ると玄関脇から裏へ向かって、マシュが私を覗き見ている。

私はマシュを見て、内心で良かったと思いながら、またマシュが逃げないように、ゆっくりと近づくとマシュを抱き上げた。

いったい、どこをどう通って帰ってきたのだろう。

時間にすれば、捜していたのは十分くらいかも知れなかったが、私には、とても長い時間に感じられ、帰ってきて本当に良かったと、マシュに頬ずりするとマシュは

「えへへ」
という顔をしていた。

結局は自分で家に戻って来たということは、まだ外へ出し始めて四度目くらいなのに、もう自分の家を、覚えていたのだろうか。

とにかく帰って来てくれて本当に安堵したのであった。

千恵子が帰って来て、この話をすると

「よう自分で戻ってきてくれたなぁ」
と言っていた。

そしてハーネスをしていても外れることが分かり、安心はできないことを覚ったのであった。
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