天国のマシュに会いたい
それからは、ただ一度、中国人の女の子が持たせてくれと言って持ったとき以外は、外れることは無くなった。

中国人の女の子にはハーネスを持つこつを教えたのだが、なかなか覚えてくれず、散歩の時に彼女にハーネスを持たすのは止めたのである。

散歩をしている時のマシュは動いたり休んだりを繰り返す。

今になって考えると病気のせいで、しんどかったのかも知れない。

ただ獲物をを見つけたときのマシュは素早かった。

飛んでいる小さなアブやハエを捕らえたのには驚かされた。

以前にクロが、すずめや鳩を待ち伏せして捕らえて、くわえてきたことがあったが、さすがにアブやハエは、すばやく飛ぶので捕らえたのを見たことは無いし、最初から諦めていたのか捕らえようともしなかった。

マシュはアブやハエが飛んでいるのを叩き落として手で押さえたり、たまに両手でパシリと叩き落そうとしていた。

本当に、すばやさでは今まで飼ってきた猫で一番であり、すごいなぁと感じた。

しかし一度だけ蜂を叩き落そうとして刺されたことがあり、それからは蜂に向かっていかないように注意して見ていた。

そういえば、朝起きてきてゴキブリが死んで転がっているのを何度も見たが、マシュの仕業である。

少しでもゴキブリの動く音がすると捕獲に出動していた。

マシュが何かを手で追うので、よく見ると目に見えないような小さな蜘蛛にまで反応していたのだった。

動くものには反応せずにいられなかったのだ。
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