天国のマシュに会いたい
千恵子がリビングへ下りていくと、ミルは千恵子について下りていくことが多かった。

ミルは千恵子になついていたのである。

マシュはそのまま残っている。

私が新聞を読み終えてリビングへ下りていくと、数分くらいしてマシュが下りて来ていた。

九時半になると千恵子は仕事に出かける。

家に残った私は株の売り買いもしていたので、しばらくはネットで株の値動きを見てから小説を書き始める。

何か用事がある時は、できるだけ午前中に済ませて午後から小説を書いていた。

知佳はいつも夜遅くまで起きているので、起きてくるのが午後であった。

それからシャワーを浴びたり化粧をして買い物や友達と遊びに行ったりしていたが、家で居るのと出かけるのが半分半分くらいであった。

そして四時頃になると、いつものように小説を書いている私にマシュが

「散歩に行こうよ」
と私の足に手を伸ばしてきて私は小説を書くのをやめ、マシュと散歩にでるのである。

その光景を初めて見た知佳がマシュを見て

「何を、つけてるん?」
と訊くので、マシュが逃げないようにハーネスをつけているのだと説明する。
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