天国のマシュに会いたい
一瞬、どうやって助けようかと考えたが、とにかく私の身体を窓から乗り出して片手でマシュを掴んだ。

そして
「じっとしとけよ。そのまま動くなよ」
と言いながら、手元に引きつけて両手で持ち窓の中へ入った。

非常にあぶなかった。

我が家では唯一ミルだけが横にスライドする戸を手で開けるので、おそらくはミルが網戸を開け、その開いた窓から好奇心旺盛なマシュが屋根に飛び移ったのだろう。

それからは網戸の位置を左右反対にしておいた。

とにかくマシュは好奇心が旺盛で、寝室のベランダで蒲団を干そうとするとやって来て、ベランダから続いている屋根に行き屋根の上をうろうろとする。

「マシュ・・・マシュ・・・」
と呼んでも戻っては来ない。

仕方なく遊び道具を持ってきて、それを見せて引き寄せて連れ戻していた。

私は知佳がまだ寝ていて、千恵子は仕事で出ている間に夕食の買い物に出かける時がある。

買い物から帰ると駐車場の正面に和室の窓があり、そこに三匹が集まって外を見ている時がしばしばあった。
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