結婚しました!
「約束の書類です。保険の方は、こちらで手続きします。

 さっきも言いましたが、

私たちは遺産等にこだわっていません。

 保険金おりましたら、振込みますが?」


「いや、そこまでしてもらわんでも、

 私たちは音々ちゃんの権利をすべて

 取り上げたいわけではないのですから。


 義兄が、音々のために残したものですから。」


 慌てて、申し出を断ってきた。

 それはそうだろな、

 遺言を無視してるだけでも非常識なのに

 これで保険金まで取り上げたんじゃ、

 人としてどうかって話だ。


「そうですか。では、そこは後ほど手続きが終わり次第連絡を。」


「いや、出来るならもうこれきりにしてください。


 あなたはご存知ないかもしれないが、
  
 音々はこのうちには縁のないはずの人間で…」


良くも言えたものだ、お前こそ婿養子だろう。

音々は、婚外子だが、

この家の血を継いでいるかもしれないのに。


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