結婚しました!
しばらく押し黙って思いついたように…


「そんな…だってあの子は日本には…


 はっ!!」



「高宮さんが心配で戻ってきたんです。


 ご存じですよね?

 亡くなったのは。」


女将はコクりと頷くと、


声を潜めて…


「あなたは何者?」



「私は音々の夫です。


 彼女を守るために結婚しました。


 調べましたいろいろ。


 今日ここに泊まったのは、

 あなたに音々を見せたかったからです。」



「私のことをあの子は?」



「いいえ?存在すら知りません。


 名乗るかどうかは、お任せします。」





この女将は、音々の実母、だ。


音々はどこかにいるとは思っているが、

この人がそうだとは知らないはずだ。


こんな近くにいるとは…俺も半信半疑だった、

でも、女将を見たとき直感したんだ、

この人が音々の母親だと。














< 138 / 206 >

この作品をシェア

pagetop