結婚しました!
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「ここですか?」


音々は驚いた顔してビルの前に立っていた。


「来たことあったの?」


「あ、はい、ちょっと人に会うために。


 結局その方には会えなかったんですけど。」


「へえ。俺の友達はここの-----」


「おーろりーちゃん!」


小さな女の子がビルから飛び出して来て、

音々に飛びついた。


「あ、あげはちゃん?」


「そらよ、おろりいちゃん。」


音々はひょいとその子を抱きあげ、

頬ずりした。


どうなってるんだ?

誰だこの子?


おろりぃ?って何?

「音々、おろりー?って?」


「はは、すっかり仲良しだなあ。」


「和司。」
「みながわかずしさん」


俺と音々の声が重なった。

そして顔を見合わせた。


「お知り合いですか?」


「音々の方こそコイツが俺の友達、皆川和司。」


「まあっ、そうだったんですか、

 日本に来たとき助けていただんです。

 ずっとお会いしたかった方です。」






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