結婚しました!
「す、すみません俺です。」


「え?野村!?、早く出て。私用電話は短くな。」


「はい、分かってます。」


課長も、俺の電話に拍子抜けしたようだ、

他の奴らなら、怒りの視線投げまくりだろうに。


相手が俺のとなると、

よっぽど重要な電話だと思ったのだろう。


逆に心配そうな顔をする。


「もしもし。」

音々だ。


『八起様!!お仕事中ごめんなさい!』


「おう、何?」


『TVが!TVが届きました!』


「うん、頼んどいたからね。

 設置してもらって。前の引き取ってもらってくれる?」


『ええ、ど、どうしてTVなんか?』


「前のは地デジじゃなかったから、

 音々TV見られなかっただろう?

 俺は今まで必要じゃなかったから買い換えなかったけど。

 音々は見たいだろ?」



『私のためですか?大丈夫です私、
 
 この間本だってたくさん買っていただいたし。』


「TVだってあれば見るだろ?

 きょうも、早く帰るから、

 一緒に車取りにいこうな。」


『はい、待ってます。』


「じゃな。」




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