結婚しました!

携帯を切ると、

みんなの視線が俺に集中していた。


「すみません、私用電話長くなって。」


俺がそう言うと、

課長はあたふたしながら、


「い、いや、たまにのことだ気にするな。」


と、言いつつ、


「時に野村くん、

 その、

 相手の方は女の人のようだったが、

 どなたかな?

 あ、

 いや、聞いても大丈夫ならだが、」



「婚約者ですが?」



 !


室内の空気が止まった。


「近いうちに籍を入れます。」


そこにいる皆が息を飲んで、

目を丸くして、俺を見る。


おいおい、失礼だろう。

って当然か、

俺の前では結婚の話はタブーだった位だから。


晴天の霹靂ってやつだ。







< 63 / 206 >

この作品をシェア

pagetop