結婚しました!
「ごめんなさい!お母様ごめんなさい!」

朝方、音々の声で目が覚めた。


俺と音々はひとつの部屋で寝起きしているが、

布団は別々だ、

情けない話、

今は、同じ部屋で寝ようと誘うのが精一杯で、

手を出していない。


我ながらどんだけ我慢強いのかと呆れる。


好きすぎて手も出さない俺は、

10代、20代の頃の

野獣のように取っ替え引っ変えだった昔は

どこへ行ったのか。


隣の布団を見ると、

音々は呼吸を乱して、額に汗をかいている。


悪い夢を見ているのか、

このままでは可愛そうだと、

音々を軽く揺すって声をかけた。


「音々?音々どうした?」


大きな目をパチっと開けて、

俺を凝視して、


「いやあぁぁぁ!」

大きな悲鳴を上げた。


何がどうした?

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