結婚しました!
頭を抱えて、

はあはあと息をする、

そして、初めて我に帰ったらしく、

俺の方を振り向いた。


「私?す、すみません…」


俺は面食らって、

音々をあっけにとられて見つめていた、


「ああ、大丈夫か?」


「すみません私。夢見てたみたいで…」


「そうみたいだな、怖い夢か?」


「昔の夢です。最近はあまりなかったんですけど、

 時々こうやって思い出したように夢を見るんです。


-----------------こうして


 なにか安定を得ようとすると必ず…

 私は、幸せにはなってはいけないんです。


 罪を持って生まれた子なのだから…」



音々は宙を見つめ、

独り言のようにつぶやく。


「私は罪の子だから。」


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