結婚しました!
「いやあ、心配してたんだよ。


 メイド服着せる変態婚約者なんて大丈夫かって?


 知らなかったよ、ノムさんがそういう趣味だったとはね~。」



「はぁ???何いってんですか、こんな店の店長やってる、

 羽瀬さんには言われたくないですよ!!!」



「はは、全くその通りだな。


 音々ちゃんいい子だから幸せになって欲しかったんだ。


 相手がノムさんで良かった。幸せにしてやんなよ。」


「当たり前です。


 ところで、音々にメイドのカッコはさせませんから、

 バイトの件はなかったことにしてください。」


「八起様にそんな風に言われるのなら私…」


音々がひどく傷ついた顔して今にも泣き出しそうな顔をしている。


羽瀬さんが、ため息をついて、

「音々ちゃんが来てくれるなら、メイドのカッコはしなくてもいいよ。」

そういって。俺の肩を叩いた。

「泣かしてどうするんだ、大事な子なんだろ?」

そう、耳元で囁いた。


全くその通りで、俺が意地を張って固辞していたら、

せっかく張り切っていた音々の気持ちを折ることになってしまう。



メイドのカッコをしなくてもいいということで、

手を打った。



惚れた男の弱みだ。


「そういうことなら、反対はしません。

 よろしくお願いします。」


そう、俺が羽瀬さんに頭を下げると、

音々は嬉しそうに笑った。


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