結婚白書Ⅲ 【風花】
「朋代ちゃん 付き合っている人がいるんでしょう?
お義母さんが心配してたわよ」
「うぅん もういいの 別れたっていうか 彼 新しい彼女ができたみたい」
「そうなの……じゃあ 朋代ちゃんも誰か他に好きな人がいるんじゃない?
そんな気がするんだけど」
和音さんって ほんわかしてそうで鋭いのよね
「好きってほどではないけど……気になる人はいるわ」
遠野課長を思い浮かべていた
でも 課長は結婚してるし 私の恋愛の対象外 素敵な上司ってところね
自分で自分を分析する
いくら気になっても 決して本気になってはいけない人だから……
仕事中の遠野課長は いつも厳しい目で 隙がなくて あまり笑わない
”笑わないから素敵なんじゃない!”なんて そんな風にいう人もいるくらい
でも 私には優しい顔を向けてくれる
私にだけ?
まさか
そんなことないよね……
偶然が重なるのか 遠野課長とよく会うからかな
飛行機の中で 私の手を静かに握ってくれた
あの優しさは 私に対してだけなのかしら
そう思いたい
でも……
いくら課長を思っても 決して報われない想い
どうにもならないわ
一日外出しておいでと 兄貴に言われたが 大輝のおっぱいタイムに合わせて
帰宅した