恋はいっぽから!(続編)~夜明けの珈琲~
スーパーへ出掛けると、
更に意外な一面が…見えてくる。
一度通った場所を後戻りすることなく、彼女は要領よく品物をカゴに入れていく。
無駄のない……動き。
けれどちゃっかり、奥に陳列された賞味期限の長いものを…選んでいた。
「ハッ…!予算オーバーだわ。」
「…は?なに、ちゃんと計算してたの?」
「勿論です。只今5千2円なり。」
「………。算数、できるようになったんだな。」
「…数学科の学生ですもの。」
「まあな。…気にしないで買えばいいじゃん。」
「無駄づかいはしたくないんです。」
「……?別に俺が出すんだからいいだろ。」
「ええっ…?」
「…………。」
どうやら…自分の金で買うつもりだったらしい。
律儀というか……、
謙虚というか……、
いい主婦に…なりそうだ。