恋はいっぽから!(続編)~夜明けの珈琲~
「へぇ……。で?」
「で、ちょいとそれでウォッチングを…。」
「…………?」
「こちらに帰って来た時に、先生は何してるのカナ~って。」
「………は?」
「だって、先生は忙しい身なんですもの!せめて遠くから、と…。肉眼で見るより断然近くに見えて、それで何とか…我慢していました。」
「…………。」
「…ところが、昨日それを落としてしまって……。レンズが粉々に。」
「………。」
「……それで……、我慢できなくて会いに来てしまったんです。久則にはちゃんと…謝ります。」
「……………。変態か……。」
今に始まったことではないけれど……。
これは的外れな……
変態だ!
「……そうです、私が変なおじさんです!だっふんだ!」
(注:思わず志村いっぽです)
「確かに…貴方の裸も見てしまいました。ですから、免疫がついていたのやもしれません。(ニヤリ)」
「すげー説得力だな。いや、そうじゃなくって…、なんでわざわざそんなストーカーまがいなことしておいて、俺に会いには来なかったんだよ。」
「……だって…、ウザがられても嫌ですし。」
「お前なー……、どこまでズレてんだよ。」
「………。」
「…ただでさえ一緒にいらんなくて、上手くいったかと思ったら…離れ離れ。会いたくても会えないっつーのに……。何だよ。ちゃんと会おうと思えば会えたんじゃん。」
「………。先生は…私に会いたいと思ってくれていたんですか?」
「………。いつも思ってたよ。だから…、どんな理由であっても昨日ここに来てくれたことは…すげー嬉しかったし、少し…浮かれた。」
「………!」
「つーかこんなモヤモヤしてんだったら、お前ここに住めば?」
「…………。お断りします。」
「は?」
「毎晩あんなに情熱的に抱かれたらさすがに体力がもちませんもの。(ポッ)」
「……俺は変態か。悪いがそんな体力ねーよ。」
「でも……、約束しましたしね。」
「…え?」
「戻って来ると。」
「ああ…、そうだな。」