君から、私へ。 私から、君へ。
…麻緒が死ぬかもしれない。

頭では状況を理解できてるつもりでも、なんだかなにも実感がわかない。


…だってさっきまでは普通に笑ってた。

いつも通りの麻緒だった。


なのにいきなり電話が来て、
『麻緒が交通事故に遭いました』
だなんて。



信じられないよ。


信じたくないよ。


だけど泣いてる小林くんと赤く光った『手術中』の文字を見て、嫌でも信じざるを得なかった。


私はただ一人、どうしたらいいかわかんなくて、小林くんの隣に座って、小林くんの背中をさすることしかできない。



「…麻緒、さ」


しばらくして、急に小林くんが口を開いた。


「…ん?」

「…コンビニに行く途中だったって。

交差点で、信号無視してつっこんできたトラックにひかれて…」

「…。」

「轢き逃げ、だって。
警察とかも今犯人を捜してるって…」



…小林くんの話を聞いていたら、不意に手術中とかかれたあの赤いランプが消えて、中からは若い女のお医者さんが出てきた。


「麻緒は…っ!!」


出てきた女の人にかけよる私と小林くん。



「……手は、尽くしましたが…」





…麻緒…
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