君から、私へ。 私から、君へ。
ずっと前から___いつかまた
「綾瀬さん、おはよ」
寒さですっかり赤くなってしまった耳と鼻をマフラーで覆いながら、小林くんは校門に立っていた。
ずっと待っていてくれたのだろうか。
「…おはよう、小林くん」
無理矢理、と言うわけでもないが、自然でもない笑顔を小林くんに向ける。
「あのさ、綾瀬さん…メール、届いた?」
「…うん」
「そっか。
……綾瀬さん、お誕生日おめでとう。」
小林くんは可愛らしい包装に包まれたカップケーキを私の手の中におさめる。
「…ありがとう」
「…綾瀬さん、あれ、見た…よね?」
「…うん」
「…そっ、か。」
『やっぱ見たよね』と言いながら、なんとも言えない表情を浮かべる小林くん。