君から、私へ。 私から、君へ。
『また明日』
結局あのあと、(なぜか)ニヤニヤして何かを言っていた小林くんを麻緒が殴りだして、
それが運悪く先生に見られてお説教。
被害者(?)である小林くんの
『白神が可愛いからついからかいたくなっちゃって』
という一言で(違う誤解は生んだものの)ひとまず解決。
夜には『なんやかんやで賑やかな1日だったなぁ』と思いながら眠りについた。
そして、今日は日曜日。
学校はお休み。
今は午前8時30分。
ここは私の家。
私はたった今の今まで眠っていた。
…が。
「梨柘ー、送信予約って本当に指定した時間に届くと思う?
信用できると思う?」
「…あのね、麻緒。
私一応女の子なんだけど。」
「昨日小林がさ、送信予約とか言う機能を教えてくれたんだよね、」
「うん、あのね、わかったから話を聞いて。」
「え、何?どうしたの?」
「うん、だからね、私女の子なの。ねぇ。私寝てたの。
あのね麻緒くん、君は何故ここにいるの?」
「何故って…梨柘ママが入れてくれたんだよ?」
「…。」
…あのねお母さん。
あなたの娘はお年頃の子なのよ。ねぇ。
いくら幼馴染と言えど目が覚めてベッドの横見たら体育座りで携帯とにらめっこしながら延々と携帯の機能の信憑性について語ってたら私びっくりしちゃうよ。
「…梨柘ってさ、」
「はい」
「幸せそうに寝るよねぇ」
「!?」
まさかよだれ出てた!?
…いや、出てない。
…まさか寝言とか言ってた!?
「…な、なんか言ってた?」
「いや?ずっと嬉しそうに笑ってたから」
…何故笑ってたんだ私。
夢…は見てないよね?
「…。」
悶々と考えをめぐらせていると、不意に音楽が流れ出した。
「あ、小林から
梨柘、ちょっとごめんな」
「あ、うん」
…小林くんからかー…
やっぱ仲いいなぁ。
男友達って楽しそうだな。
「嘘っ!?
行く!行く!!!」
あ、どっかお出かけかな?
じゃあもう一回寝ようかな。
「じゃあ梨柘も連れてく!!」
…あ、強制連行ですか。