secret name ~番外編~
残されたノーヴェは、セッテの部屋に置いてあるバイクの月刊誌を手に取った。
行きたいところは、いつもない。
気付いたらセッテのペースになっている。

(それも、いいか。)

自分のペースを崩されるのは苦手だが、セッテならば何故か許せてしまうのだ。
彼ほど感情表現が豊かならば、もっと楽しいのかもしれないが、あいにくそこまでの表現力を持ち合わせていない。
バイク雑誌はツーリング特集。
自分の乗るバイクは、タンデムでのツーリングに不向きだから、車でドライブもいいかもしれない。

(整備、しよ。)

愛車を動かすのは、久し振りだ。
何ヶ月かぶりだから、オイルを交換して、エレメントチェックをして、タイヤの空気圧も測らなければ。
整備項目を上げれば、キリが無い。
日曜日のデートが楽しみというよりは、車のメンテナンスが楽しみになってしまった。

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